アロエ•ミゼラブル


「.............いま.......助けるから。.........待ってなさい。」
「ここは危ない....................お行きなさい。振り返らずに、まっすぐ。」
「私は................弱いよ。だが、今君よりも強くならないと、大切な物を失ってしまう...............気がする。..........................だから、力を貸してください。ハートレス。」
【名前】アロエ•ミゼラブル
【性別】男
【年齢】17
【性格】彼は無口だ。受け答えだって静かな口調だし、話しかけられなければ殆ど喋ることもしない。彼の声は深海のように静かで、深くて、それでいて柔らかい。寡黙でミステリアスな空気を纏う彼は、実は優しさに満ち溢れている。誰かのためになりたい。どんな小さなことだっていい、迷子の猫を探すのだって、木にひっかかってしまった風船をとってあげるのだっていい、彼は誰かの力になりたかった。
だけど。彼には才能がなかった。猫を探しても見つけられない、高いところに手は届かない。誰かの力になれるほどの才能なんてなかったんだ。彼はもともと、鬼灯に入るような落ちこぼれの中でも下の下、最下層に位置するような人間だ。やる気だけじゃあ、誰かを笑顔にできないことを彼は知ってる。彼は、周りが当たり前にできることができなかった。皆についていけなくなった彼は、どんどん周りへの共感性が低くなっていく。それを嘆きながらも彼は、自己憐憫に身を焼かれ続け、苦しい、悲しい、そんな感情に身を滅ぼされながら育った。彼は無口な少年になった。
【容姿】色素が抜け落ちたような褪せた白色の髪に乱雑に切られた髪で、普段はボサボサ。耳元も覆い隠されて、前髪は眉毛を隠す程度の長さ。まるでマスカレード(仮面舞踏会)につけていくような、目と鼻を覆う派手な黒と金の仮面をつけている。身長は162cmと、男性としてはかなり小柄。真っ白ななんの変哲もない長袖シャツ。黒いマントを羽織っている。手には機械製の、握ればボクサーのグローブのようになる大きめの篭手のようなものが付いている。真っ黒な膝までのダボダボのズボンを履いているが、その下からは機械製の足がのぞいている。靴は履いていない。
【生命】5【理性】5
【特徴】なし。彼にはなんの才能もない。
【能力】ハートレス
死への恐怖心を差し出す
筋力を何倍にも増強させることのできる機械の腕と脚を手に入れる。
【備考】彼はハートレスというヴィジョンに出会ったとき。どの感情を差し出すのかを問われたとき、彼は真っ先に『苦しみ』『悲しみ』を思い浮かべた。ようやくこの泥にまみれた日常から開放される。そう思った瞬間、彼の脳裏に、彼の中学生のときの恩師の言葉が思い浮かんだ。「逃げるな。」勉強ができずに、補修をサボってしまったときの教師の言葉が、何故かその時急に頭の中で再生された。逃げるな。何度も何度も、彼は迷って、迷っては 、死を恐れる恐怖心を差し出した。彼はもう、二度と逃げない。【逃げることができない。】
ハートレス
№060_無情【発現条件】
このヴィジョンは他人への共感性が薄くそれを嘆いている者を宿主として宿る。
【基本性能】
このヴィジョンは黒い翼を持った少女のヴィジョンである。足は無く、下半身の剣を蜘蛛の様に動かして歩行する。能力者にのみ視認可能、物理干渉能力アリ、身体能力は常人の2倍。飛行能力もアリ。言語活動は出来ない。
【特殊能力】
このヴィジョンの能力は機械化である。宿主は感情をひとつこのヴィジョンに献上する事で身体の任意の部位を永久的に機械化する。痛みも無く、頑丈で人間を超えた力を持ち人間では到達できない驚異的な精度を得る事が出来る。ただし、献上した感情も二度と戻る事は無い。